「結束」という言葉は政治の世界でよく使われるけど、今回の自民党大会での石破総理の言葉には何か違う響きがあった気がする。思えば、私がこの業界に足を踏み入れてからもう何度この言葉を聞いたことか。でも今回は少し違う。
2025年3月9日、自民党の立党70周年を記念する第92回党大会が開かれた。冷たい雨が降る東京の朝、会場に向かう途中で考えていた。この党大会、ただの儀式なのか、それとも本当に何かが変わるターニングポイントになるのか。
石破総理、熱のこもった演説で党内結束を求める
「我々自民党は、国民の信頼を取り戻し、安定した政権運営を続けるために、一丸となって戦わなければならない」
会場の空気が少し引き締まった。石破総理の声には珍しく感情が乗っていた。普段の淡々とした話し方とは違う。
正直言って、自民党の「結束」なんて言葉はこれまで何度も聞かされてきた。でも実際には、派閥の論理が優先され、表面上の団結に過ぎないことが多かった。特に安倍・菅時代からの流れを汲む議員たちと石破総理との間には、目に見えない溝がある。
経済政策や社会保障改革をめぐる議論でも、党内でかなりの温度差がある。ある中堅議員は大会後の取材に「方向性は理解できるが、具体策については全く納得していない」と漏らした。名前は出せないが、彼は昨年までかなり影響力のある役職に就いていた人物だ。
驚きの来場者:連合・芳野会長の出席が意味するもの
今回の党大会で最も驚いたのは、連合の芳野友子会長の姿だった。扉が開いて彼女が入ってきた瞬間、会場にいた記者たちのほとんどが首をひねった。「あれ、連合の会長じゃない?」という囁きが聞こえた。
連合と言えば立憲民主党や国民民主党を支援する立場だ。2005年以来、自民党の党大会に連合会長が姿を見せるのは実に異例のことだ。正直、僕も取材前のリサーチでは気づかなかった。
この出席の意味するところは大きい。芳野会長は「労働者の生活向上を第一に考え、どの政党とも対話を重ねていく」と語ったが、これは立憲民主党にとっては青天の霹靂だったはずだ。支持率が低迷する立憲民主党にとって、連合の全面的な支援は命綱とも言える。
ある野党関係者は「裏切りだ」と怒りを隠さなかった。ただ、連合内部でも意見が割れていて、芳野会長の判断に「待った」をかける声もあるという。
参院選はどうなる?与野党の攻防の行方
自民党にとって今回の参院選は、単独過半数を維持できるかどうかが最大の焦点だ。石破総理の手腕が問われる初めての国政選挙でもある。
現状では与野党の支持率は拮抗している。今週発表された某メディアの世論調査では、自民党の支持率は33.7%、立憲民主党は24.1%だった。ただ、無党派層が4割近くを占め、この層の動向が選挙を左右するだろう。
参院選の主要争点はこんな感じだ。
争点 | 自民党の主張 | 野党の主張 |
---|---|---|
経済政策 | 減税と企業支援で経済活性化 | 消費税減税と所得再分配 |
社会保障 | 持続可能な年金制度の維持 | 年金支給額の引き上げ |
労働政策 | 働き方改革の推進 | 最低賃金の大幅引き上げ |
安全保障 | 防衛費増額と国防強化 | 軍事費抑制と外交重視 |
個人的には、経済政策の違いが最も有権者に響くと思う。インフレに苦しむ市民にとって、どちらの経済ビジョンが魅力的に映るか。特に若年層の投票行動が気になるところだ。
風向きはどっちに?
石破総理の「結束」呼びかけは党内にどれほどの影響を与えるのか。そして、連合・芳野会長の出席が野党陣営に与えるダメージはどの程度か。
正直なところ、まだ予測がつかない。自民党内にも、表向きは結束を誓いながらも、水面下では牽制し合う動きがある。一方、野党も連合の動きに対して危機感を抱いているものの、具体的な対抗策を打ち出せていない。
党大会の帰り道、窓を叩く雨音を聞きながら考えた。政治の世界は、表向きの発言と本音の間に大きな隔たりがある。そして、その本音を探り当てることこそが、ジャーナリストとしての僕の仕事なのだと。
雨は夜まで降り続けた。参院選に向けた与野党の戦いも、これからが本番だ。

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