「これは助かった」という声が、全国の医療現場や患者団体から聞こえてきそうだ。
以前、本ブログで紹介したこの記事。再度、動きを見せた。
2025年8月から予定されていた高額療養費制度の患者負担上限額の引き上げが、結局のところ見送られることになった。石破茂首相は6日、「国民の負担が一気に増えることは避けるべきだ」として、この決定に至ったことを発表した。
社会保障費の増加を抑えたい政府と、医療費の負担増を懸念する国民。双方の思惑がぶつかる中、政府は一度ブレーキを踏んだ格好だ。
高額療養費制度ってどんな制度?
高額療養費制度は、ざっくり言うと「一定額以上の医療費がかかったときに、国が一部を補助してくれる仕組み」だ。病気やケガで高額な医療費が発生しても、一定の金額を超えた分は払い戻される。これにより、重い病気になっても「医療破産」せずに済むわけだ。
特に高齢者や低所得者にとっては、生活を支える命綱のような制度と言える。とはいえ、すべての人が同じ金額を払うわけではない。所得によって自己負担の上限額は異なる。
現在の負担上限額(2024年時点)
所得区分 | 月額負担上限額 |
---|---|
住民税非課税世帯 | 約8,000円 |
低所得者(年収約370万円以下) | 約18,000円 |
中所得者(年収約770万円以下) | 約57,600円 |
高所得者(年収約1,160万円以上) | 約252,600円 + 1%負担 |
今回政府が考えていたのは、この上限額を引き上げるというものだった。
なぜ「負担増」計画が白紙に?
もともと政府は、医療費の増加を食い止めるために、2025年8月からこの自己負担の上限を引き上げる方向で進めていた。理由はシンプルで、少子高齢化が進む中、社会保障費が膨れ上がっているからだ。
だが、患者団体や医療関係者から「そんなことをしたら、経済的理由で病院に行けなくなる人が増える」との批判が相次いだ。特に、高齢者世帯にとって負担増は死活問題となりかねない。
実際、日本医師会の関係者も「負担を増やせば医療を受け控える人が増え、結果的に重症患者が増えて医療費全体がかさむ可能性がある」と警鐘を鳴らしていた。
こうした声を受け、石破首相は「急激な負担増は適切ではない」と判断。結果として、今回は見送りとなった。ある政府関係者によると、「特に高齢者の反発が大きかった」ことが決定に影響を与えたという。
負担増なし=このままで大丈夫なのか?
とはいえ、「じゃあ今後もこの制度を維持できるのか?」という問題は残る。高額療養費制度が続く以上、どこかで財源を確保しなければならないのは明らかだ。
政府は当面、医療費全体を抑えるために ジェネリック医薬品の普及を加速させる ことや、病院の経営効率化 を進める方向で動くとしている。ただ、それでどこまでカバーできるのかは未知数だ。
また、石破首相は「今後も持続可能な制度にするための議論を続ける」としており、将来的には負担増が段階的に行われる可能性も否定できない。
さらに、近く患者団体と直接面会し、今回の決定について説明する予定だという。患者の声をどこまで政策に反映できるかが、今後のカギを握る。
まとめ:見送りは「一時的な勝利」かもしれない
今回の決定により、「とりあえず今すぐ負担が増えることはない」という安心感はある。だが、冷静に考えれば、医療制度の持続可能性という問題が解決されたわけではない。
むしろ、政府がどこで帳尻を合わせるのか、これからの政策が重要になってくる。医療費の削減策が不十分なら、また別の形で負担増が求められることになるだろう。
一時的に患者の声が政府を動かした形だが、「本当の勝負」はこれから始まるのかもしれない。

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