外国人1割時代の足音 ~地方から始まる共生への挑戦~

時事

日本の地方を歩いていると、確実に風景が変わってきている。コンビニの店員、工場労働者、農業の担い手…。気づけば、外国人の存在は当たり前になりつつある。人口減少が進む日本で、彼らの存在はもはや「特別」ではない。むしろ、地方経済を支える重要な柱になっている。

増え続ける外国人労働者たち

厚労省の統計によれば、昨年10月末の時点で日本で働く外国人は204万8,675人に達した。前年比12.4%増という驚異的な伸びだ。個人的に地方の工場や建設現場を取材してきた経験からも、この数字は肌感覚と一致する。

「正直、外国人がいなければ会社は成り立たない」

先月訪れた群馬県の中小企業の社長はそう漏らした。彼の工場では従業員の3割がベトナム人だという。

将来予測はさらに衝撃的だ。2070年には外国人人口が約1,082万人に達し、総人口の12.4%を占めるという見通しもある。

外国人人口総人口に占める割合
2023年約205万人約1.6%
2070年(予測)約1,082万人約12.4%

もはや「一時的な労働力」ではなく、「共に生きる隣人」という視点が必要なのは明らかだ。

地方発の共生モデル

先日、宮崎県を訪れる機会があった。ここでは、県が主導して外国人コンシェルジュを配置し、相談・通訳支援を強化している。驚いたのは、単なる労働力確保ではなく、外国人材の「定着」を意識した施策が多いことだ。

「宮崎で家族を持って欲しい」と語る県職員の言葉が印象的だった。

群馬県大泉町は外国人との共生のパイオニア的存在だ。町の人口の約2割が外国籍住民というから驚きだ。駅や公共施設の案内は6カ国語に対応し、外国人向けの生活サポートセンターもある。町の祭りには、ブラジル人コミュニティが中心となった催しも当たり前のように組み込まれている。

地元住民にインタビューすると、「最初は戸惑ったけど、今は普通に隣人として付き合っている」という声が多い。共生は時間をかければ可能なのかもしれない。

山積する課題

ただ、理想論だけでは済まないのも事実だ。取材を重ねるなかで、多くの課題も見えてきた。

一番深刻なのは言語の壁だ。ある外国人技能実習生は「3年いるのに日本語が全然上達しない。職場では通訳アプリを使うが、役所や病院では困る」と語っていた。日本語教育の充実は急務だろう。

教育現場の混乱も見逃せない。ある小学校では、クラスの3分の1が外国につながる子どもたちだという。「言葉が通じないから授業が進まないこともある」と打ち明ける教師もいた。多言語対応の学校設立や日本語補習クラスの拡充が必要だ。

労働現場での待遇格差も深刻だ。「日本人の半分の給料で、倍の仕事をさせられる」という声は少なくない。ある実習生は「家族に仕送りするためにがまんしている」と涙ぐんでいた。最低賃金の引き上げや労働基準監督の強化は、待ったなしの課題だ。

課題解決策
言語の壁日本語教育の強化、通訳支援、地域交流イベント
教育環境多言語対応の学校設立、進学サポート、日本語補習クラスの拡充
労働条件最低賃金の引き上げ、労働環境の改善、監視体制の強化

私たちに求められる覚悟

正直に言おう。日本が多文化共生社会になるのは、もはや選択肢ではなく必然だ。人口減少が止まらない以上、外国人との共生は避けて通れない道だ。

先日、ある外国人労働者に「日本に住んで良かったですか?」と質問した。彼は少し考えてから「人によって違う。受け入れてくれる人もいるし、無視する人もいる」と答えた。この言葉が胸に刺さった。

結局、制度や仕組みも大事だが、一番重要なのは私たち一人ひとりの意識かもしれない。外国人を「必要だから仕方なく」受け入れるのか、それとも「共に生きる仲間」として迎えるのか。

地方での取材を通じて感じるのは、田舎ほど外国人への抵抗感が少ないという逆説だ。おそらく、人口減少の危機を身近に感じているからこそ、柔軟に受け入れられるのだろう。

外国人1割時代はすでに始まっている。私たちに必要なのは、共生のための具体的な行動と、それを支える寛容な心だ。

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