—— 開幕まであと1カ月、万博は「想定外」の状況に直面している ——
2025年4月13日、大阪・関西万博がついに幕を開ける。総入場者数の目標は2,300万人、そのうち前売り券の販売目標は1,400万枚。しかし、その数字が現実味を帯びてこない。
前売り券は2023年11月30日から販売が始まったものの、最初の1週間で売れたのは約5.4万枚。あれから数カ月経つが、勢いは鈍いままだ。このままだと、目標達成どころか、運営の赤字リスクも見えてくる。
なぜここまで苦戦しているのか。万博を取り巻く「期待と不安」を探る。
前売り券が売れない理由
チケットの売れ行きが鈍い理由はいくつもあるが、特に目立つのは以下のポイントだ。
1. チケット価格が高い
まず、値段がネックになっている。大人の1日券は7,500円。家族連れなら数万円単位の出費になる。東京ディズニーランドの1デーパスポート(大人7,900円〜)と比べると、決して高すぎるわけではないが、「テーマパークなら一日遊べるが、万博はどうなのか?」と考える人も多いだろう。
さらに、万博は屋外施設が多く、天気にも左右される。快適なアトラクションが保証されているテーマパークとは違い、「行ってみたけど思ったより楽しめなかった」となれば、高額チケットはリスクでもある。
2. 万博への関心が低い
かつての万博と違い、現代では「万博だから行く」という熱狂が生まれにくい。特に若い世代は、そもそも万博の存在自体を知らない人も多い。
「未来の技術が体験できる」と言われても、スマホひとつで世界中の最新技術に触れられる時代。わざわざ現地に足を運ぶ必要性を感じにくいのかもしれない。
3. プロモーションが弱い
「万博が開かれることは知っているが、具体的にどんなイベントなのか分からない」—— そんな声をよく耳にする。実際、現時点で「これは絶対見たい!」という目玉企画が一般層にはほとんど伝わっていない。
テレビCMは流れているが、インパクトが薄く、若者向けのSNS施策も決定打にはなっていない。結果として、「興味はあるけど、まだチケットを買うほどではない」という状態が続いている。
4. 企業・団体の動きが鈍い
団体販売も振るわない。企業や学校がチケットを大量に購入すれば、一気に販売枚数が伸びるはずだが、その動きが見られない。コロナ禍以降、企業が福利厚生としてイベントチケットを配る文化も弱まり、団体旅行の需要も回復しきっていない。
前売り券の種類と価格
では、実際にどんなチケットが販売されているのか。
チケット種類 | 価格(大人) | 価格(子供) | 特典 |
---|---|---|---|
1日券 | 7,500円 | 3,500円 | なし |
期間指定券 | 6,500円 | 3,000円 | 指定日のみ利用可能 |
夜間割引券 | 3,500円 | 1,500円 | 17時以降の入場限定 |
障がい者割引券 | 3,750円 | 1,750円 | 本人+介助者1名まで適用 |
さらに、家族向けのセット割引や、特定の日限定のキャンペーン価格なども検討されている。だが、現時点では「割安感」がそれほど伝わっていないのが現状だ。
販売促進のための動き
チケット販売の低迷を受け、運営側も手をこまねいているわけではない。むしろ、ここにきて急ピッチでプロモーションを強化している。
- 企業とのタイアップ … 大手企業と組み、社員向けの割引販売を展開
- SNSキャンペーン … 若年層に向けたプレゼント企画を実施
- 特典付き販売 … チケット購入者限定の記念グッズを用意
- 自治体との連携 … 地域の学校や団体を通じた販売促進
- イベント連動企画 … 万博関連イベントとセット販売
- 海外市場へのアプローチ … 訪日外国人向けのパッケージ販売
この中で特に注目されるのが「企業タイアップ」と「海外向け販売」だ。企業が大量購入すれば一気に販売数が伸びるし、訪日外国人にとっては「観光のついでに万博」という流れを作れるかもしれない。
それでも赤字リスクは避けられない?
もし前売り券の販売がこのまま低迷すれば、万博の運営資金にも影響が出る。そもそもチケット収入を含めた収支計画が立てられているため、目標に届かなければ赤字リスクが現実味を帯びてくる。
もちろん、直前になって駆け込み需要が生まれる可能性はある。だが、チケット販売が不振なままでは、万博そのものの盛り上がりにも影響しかねない。
開幕まであと1カ月——。ここからのプロモーション戦略が、万博の成否を左右することになる。
「万博、行ってみる?」と思わせるような企画と宣伝が、今こそ求められている。

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