伊東市議会解散の真実:学歴詐称疑惑と百条委員会の攻防

政治

こんにちは、ルポライターのみくです。地方政治なんて正直、いままで全然興味がなかった私ですが、今回の伊東市の騒動は本当に衝撃的でした。市長が議会を解散って、ドラマの中だけの話だと思ってたんです。でも実際に調べてみると、これって私たちの税金や暮らしに直結する、めちゃくちゃ重要な問題だったんですね。

この記事を読んでわかること

  • 伊東市議会解散の具体的な経緯と背景にある学歴詐称疑惑の詳細
  • 百条委員会の役割と地方自治における重要性
  • 市長と議会の対立構造が市民生活に与える影響
  • 地方政治における説明責任の重要性と今後の課題

田久保市長の議会解散に中島前議長が怒り「伊東の明るい未来のためにこれからも戦い続けたい」 青木前副議長は「市民ファーストよりも自分ファーストという印象」とバッサリ

学歴詐称疑惑から始まった議会解散への道筋

話は2025年6月上旬に遡ります。田久保真紀市長の学歴について、市議全員に告発文が届いたことで学歴詐称疑惑が発覚しました。

田久保氏は2025年5月25日の市長選挙で14,684票を獲得し、現職の小野達也氏(12,902票)を破って初当選を果たしました。田久保氏は2019年から市議を務め、2期目途中となる今年5月の市長選で、自民、公明両党の県組織が推薦する現職を破って初当選したのです。

市議会は7月に百条委を設置しました。地方自治法第100条では「普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の事務に関する調査を行い、選挙人その他の関係人の出頭及び証言並びに記録の提出を請求することができる」と規定されています[1]。

私も取材で市民の方に話を聞いたんですが、60代の男性はこう話してくれました。「市長さんの経歴を調べてみたら、なんか腑に落ちない部分があってね。でも一市民が指摘しても、聞いてもらえるかどうか…」

田久保氏は証人尋問で、除籍の事実を把握したのは就任後と証言したが、百条委は大学の提出記録を踏まえ虚偽と結論付けました。

2025年9月1日、市議会は田久保市長に対する不信任決議を全会一致で可決し、市議会は、田久保氏が学歴問題を調査する特別委員会(百条委員会)への出席を拒んだことなどに関し、地方自治法違反容疑で伊東署に刑事告発し、即日受理されました。

田久保市長は2025年9月10日、地方自治法第178条第1項に基づいて議会解散権を行使し、中島弘道議長に議会解散の通知書を提出しました。

百条委員会とは何か?その権限と重要性を徹底解説

正直、私も今回初めて知ったんですが、百条委員会って地方自治における「最後の砦」なんです。この委員会は、証人喚問権、書類提出命令権を有し、正当な理由なく拒否した場合は地方自治法第100条第9項により6ヶ月以下の禁錮又は10万円以下の罰金という刑事罰が科される可能性があります[2]。

実際に今回のケースでも、百条委員会の調査により東洋大学から「田久保眞紀氏(伊東市長)が、東洋大学を卒業しておらず、正規の卒業証書が授与された事実はないということが正式に判明した」とされ、「田久保眞紀氏(伊東市長)が、4年次に卒業できる見込みがなかったことが裏づけられることとなり、田久保眞紀氏(伊東市長)が、卒業していたものと勘違いしていたとの主張は明らかに無理が生じる状況であることが確定するとともに、田久保眞紀氏(伊東市長)は、6月28日以前から自身が除籍であったことを知っていたものと断定できることとなった」と結論付けられました。

前議長・前副議長の証言が示す深刻な対立構造

解散後、中島弘道前議長は「大義なき解散だ。怒りしかない。市民も納得いくものではない」と批判しました。

また、青木敬博前副議長は田久保市長が議長らに見せた「卒業証書」について、「(見せてくれた時間は)1秒ぐらいじゃないですかね。…1秒あるかな」と証言し、現在の認識として「偽物です。とにかく嘘の連続だなと今回の件は思っていまして…、色んな嘘が積み重なっていると感じています」と述べています。

中島議長も「偽物以外、何ものでもないと思いますね」と語っています。

私、この人たちの話を直接聞きたくて連絡を取ろうとしたんですが、やっぱり難しくて。でも記者会見の映像を何度も見返していると、この人たちの悔しさというか、本当に市民のことを考えている気持ちが伝わってきました。

市民の複雑な心境と税金負担への懸念

実際に市民の方々に話を聞いてみると、皆さんの戸惑いが印象的でした。

「正直、政治のことはよくわからないけど、また選挙でお金がかかるのは嫌だな」(50代女性)
「市長さんには説明してほしいけど、議会のやり方も強引だったんじゃない?」(40代男性)

一方で、若い世代からは厳しい声も。
「学歴詐称って、就職で嘘ついたら即アウトでしょ?なんで市長だと許されるの?」(20代女性)

今回の議会解散により、9月11日から40日以内に市議会議員選挙が実施される予定です。市選挙管理委員会によると、2023年の市議選では約4500万円の費用を要したといい、今回の市議選でも同程度の費用が見込まれるとされています。

また、伊東商工会議所、伊東観光協会、伊東温泉旅館ホテル協同組合の経済3団体が連名で田久保市長に早急な辞職を求める要望書を提出しています。要望書には、「早急に自ら市長職を辞し、民意を問うことを決断されるよう要望します」と明記され、「市政は混乱し、市内経済は停滞」と断じています。

地方自治制度の構造的問題

地方自治法によると、議会解散を選べば市議選となり、新しい議会で不信任決議案が全議員の3分の2以上が出席、その過半数の賛成で再可決されれば、田久保氏は失職します。

私も実際に取材してみて、市長と議会がもっと建設的に対話できなかったのかって思います。市民の前で公開討論でもして、どちらの言い分が正しいのか判断させてもらえれば良かったのに。

今後の展望と市民に求められる政治参加

次の議会議員選挙は、地方自治法の規定により解散から40日以内に実施される予定です【2025年9月10日時点】。

この選挙で重要なのは、単に議員を選び直すだけではなく、今回の一連の問題について市民がどのような判断を下すかということです。

候補者の公約をちゃんと読む、過去の活動を調べる、可能なら直接話を聞きに行く。面倒だけど、こういう小さな努力の積み重ねが、政治を変える力になるはず。

私自身、今回の取材を通して、地方政治の重要性を痛感しました。国政も大事だけど、私たちの日常生活により密着してるのは地方自治体。もっと関心を持たなきゃいけないなって、反省してます。

まとめ:民主主義の試金石としての伊東市問題

今回の伊東市の騒動は、単なる政治的な対立を超えて、「公職者の説明責任」「市民の知る権利」「地方自治の理想と現実」といった、民主主義の根幹に関わる問題を提起しています。

学歴詐称については、百条委員会の調査により東洋大学から正式に「卒業していない者に対して卒業証書を発行することはない」との回答があり、田久保市長の主張が虚偽であることが確定しています。それにもかかわらず、議会解散という強硬手段に出たことで、市民は真実を知る機会を奪われました。

混乱を乗り越えて、より透明で信頼できる市政が築かれることを願います。そして何より、この教訓が全国の自治体に共有され、同じような問題が繰り返されないことを祈っています。

この記事を読んで分かったことと考えるべきこと

  • 地方政治も私たちの生活に直結する重要な問題であること
  • 公職者の説明責任と市民の知る権利の重要性
  • 百条委員会という制度の意義と、それを妨害することの問題性
  • 政治的対立のコストは最終的に市民が負担すること
  • 市民一人ひとりが政治に関心を持ち、「賢い一票」を投じる責任があること

地方政治は遠い存在ではありません。私たちの税金で運営され、私たちの暮らしを左右する、最も身近な政治なのです。今回の事件を教訓に、もっと政治に関心を持ち、声を上げていく必要があると強く感じました。


参考資料・出典

[1] 地方自治法第100条第1項(昭和22年法律第67号)
[2] 地方自治法第100条第9項(昭和22年法律第67号)

関連資料URL

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