こんにちは、都内でルポライターをしているみくです。同世代の皆さんに、どうしても伝えたいことがあります。
先日、厚生労働省から発表された2024年の出生数を見て、私は正直、背筋が寒くなりました。68.6万人という数字。これは私たちが思っている以上に、私たちの将来を左右する数字なんです。
特に20代から40代の働く世代の皆さん、この記事はあなたに向けて書いています。結婚を考えている人、子どもが欲しいと思っている人、キャリアと育児の両立に悩んでいる人。一緒に考えてみませんか。
この記事を読んでわかること
- 合計特殊出生率1.15が示す日本社会の現実と将来への影響
- 政府の「異次元の少子化対策」の内容と実際の効果
- 自治体レベルで成功している子育て支援の事例と具体的データ
- 若い世代が直面している育児とキャリア両立の壁とその解決策
- 私たちが今からできる具体的なアクション
【速報】2024年の出生数は68.6万人 初めて70万人下回る 合計特殊出生率は「1.15」で過去最低更新
合計特殊出生率1.15の衝撃──予想より9年早かった現実
国立社会保障・人口問題研究所は、出生数が70万人を下回るのは2033年頃と予測していました。それが2024年に68.6万人まで減少。予測より9年も早い到達です。
人口を維持するために必要な合計特殊出生率は2.07。現在の1.15は、その半分程度にとどまっています。
私も最初は「統計上の話でしょ?」と思っていました。でも、厚生労働省の人口動態統計を詳しく調べ、実際に子育て世代の話を聞いていくうちに、これがどれほど深刻な問題かが見えてきました。
少子化が私たちの生活に与える具体的影響
分野 | 影響内容 |
---|---|
社会保障制度 | 年金・医療・介護の財源が逼迫。支え手の減少により現役世代の負担増 |
労働市場 | 若年労働者の不足。経済の縮小、国際競争力低下 |
地方社会 | 過疎化による学校・病院の統廃合。生活インフラの消失 |
教育現場 | 生徒数減で学校閉鎖や統合。教育格差の拡大 |
「異次元の少子化対策」の効果と限界──現場の声から見えてきたもの
岸田政権が掲げる「異次元の少子化対策」。確かに従来の少子化対策より規模は大きくなっています。でも現場を取材すると、制度と実態のギャップがまだまだ大きいのが実情です。
児童手当拡充による子育て支援強化
2024年10月から始まった児童手当の拡充内容を整理してみます。
子ども数 | 現行制度 | 拡充後の制度 |
---|---|---|
第1子〜第2子 | 月1万〜1.5万円 | 所得制限撤廃+高校卒業まで支給延長 |
第3子以降 | 月1.5万円 | 月3万円へ増額 |
出産時の経済支援拡大
出産育児一時金が42万円から50万円に引き上げられました。さらに2025年からは妊娠・出産時に10万円の給付も開始予定です。
ただし、国民健康保険中央会の調査によると、東京圏の出産費用は平均55万円以上。私の友人も「制度は良くなったけど、結局まだ自己負担が残るのが痛い」と話していました。
育児とキャリア両立を支える新制度
2025年から開始予定の働く親向け支援制度:
- 出生後休業支援給付:育休取得者に最大28日間、手取り100%支給
- 育児時短就業給付:2歳未満の子を持つ親に対し、賃金の10%補助
制度設計は整ってきています。しかし実際の利用には、まだ高い壁があります。
育児とキャリア両立の壁──若い世代のリアルな声
私の周りでも、子どもを持つことにためらいを感じている人が本当に多いです。理由を聞いてみると、経済的な問題だけではないことが分かってきました。
都内のIT企業で働く28歳の女性はこう話してくれました。 「先輩が育休から復帰したとき、明らかに重要なプロジェクトから外されているのを見ました。制度はあっても、現実的にキャリアが停滞してしまうんじゃないかって不安になります」
千葉県在住の32歳夫婦からは、より深刻な話を聞きました。 「保育園の倍率を調べたら、0歳児で2倍以上。いつ産めば良いのか、タイミングが全く読めません。義母からは『3歳までは母親が育てるべき』と言われるし、板挟みです」
制度利用の壁を乗り越える具体的解決策
職場の理解や同僚の目線といった「見えない壁」を解決するために、実際に成功している企業の取り組みを調べてみました。
人事部への相談窓口設置
- 大手メーカーA社では、育児支援専門の相談窓口を人事部内に設置
- 制度利用前の不安解消や、復職後のキャリアプラン相談が可能
制度利用者の体験談共有
- IT企業B社では、社内イントラで育休取得者の体験談を匿名で共有
- 「思っていたより職場復帰はスムーズだった」という先輩の声が後押しに
男性の育休取得率向上施策
- 金融機関C社では、男性の育休取得を人事評価の加点対象に
- 取得率が30%から80%に向上
各社の取り組みは、厚生労働省「イクメンプロジェクト」事例集より
子育て支援で成功する自治体事例──データで見る効果
一方で、独自の子育て支援策で実際に合計特殊出生率を改善させている自治体もあります。
兵庫県明石市の子育て支援策
明石市は2011年から段階的に子育て支援を拡充してきました。
主な施策内容
- 医療費:高校卒業まで完全無料
- 保育料:第2子以降無料
- 中学給食:完全無料
- 公共施設利用料:18歳まで無料
その結果
- 合計特殊出生率:1.65(2022年、全国平均1.26を大幅に上回る)
- 人口増加率:5年連続でプラス成長
出典:明石市「あかしこども財団」公式データ(2024年3月)
岡山県奈義町の少子化対策
人口約5,700人の小さな町が実現した成果も注目されています。
奈義町独自の施策
- 在宅育児支援金:月額1.5万円(3歳まで)
- 不妊治療費補助:上限30万円
- 若年層住宅取得補助:最大200万円
成果
- 合計特殊出生率:2.68(2022年、全国1位)
- 人口:微増傾向を維持
出典:奈義町役場「まち・ひと・しごと創生総合戦略」(2024年改定版)
子育て支援制度活用で得られる7つのメリット
分野 | 内容と期待される効果 |
---|---|
経済的負担軽減 | 教育費や出産費の補助により、初期費用を大幅圧縮 |
生活支援 | 病児保育や延長保育で、急な仕事にも対応可能 |
情緒的安心感 | 地域の子育てサロンやSNSグループで孤独育児を防止 |
キャリア継続 | 時短勤務・テレワーク制度で、仕事を辞めずに育児継続 |
社会的風土改善 | 男性の育児参加が当然視される環境づくり |
ライフスタイル選択 | 地方移住による家族時間確保、住環境改善 |
自己実現機会 | 子育て期間中の学び直しや副業・起業支援 |
私たちができる少子化対策アクション
取材を通して痛感したのは、少子化の本質は「産まない選択」ではなく、「産みたくても産めない社会構造」にあるということです。
今からできる具体的なアクション
1. 自分が住む自治体の子育て支援制度を徹底調査
住んでいる場所によって受けられる支援は大きく違います。例えば、23区内でも品川区は保育料が比較的安く、世田谷区は待機児童対策が充実しているなど、特色があります。
- 自治体の公式サイトで最新情報をチェック
- 子育て支援センターに直接相談
- 既に制度を利用している先輩ママ・パパから情報収集
2. 育児経験者との情報共有ネットワーク構築
公式な情報では分からない「実際どうなの?」という部分を知ることが重要です。
- 職場の先輩や同僚との情報交換
- 地域の子育てサークル参加
- SNSの子育て情報グループ活用
3. 選挙や政策への積極的参加
私たちの世代が声を上げないと、政策の優先順位は変わりません。
- 地方選挙での子育て政策重視候補への投票
- 自治体への政策提案(パブリックコメント等)
- 子育て支援団体への参加やサポート
合計特殊出生率改善への道筋──選択できる未来のために
子どもを持つかどうかは、本来個人の自由な選択です。でも、「持ちたいのに持てない」社会は明らかに不公正だと思います。
これは単に制度の問題だけではありません。職場の文化、地域の支援体制、家族の価値観など、社会全体の意識改革が必要です。
安心して産める、安心して育てられる環境が「当たり前」になる社会。そんな社会を私たちの手で作っていく必要があります。そして、それは決して不可能なことではないと、各地の成功事例を見て確信しています。
この記事を読んで分かったことと考えるべきこと
- 合計特殊出生率1.15は予想以上の速度で進行する少子化の深刻さを示している
- 政府の少子化対策は拡充されているが、制度と現場の実態にはまだギャップがある
- 自治体レベルでの成功事例は存在し、明石市や奈義町のような具体的成果を上げている地域もある
- 育児とキャリア両立の壁は制度だけでなく、職場文化や社会の意識改革が必要
- 私たち一人ひとりができることから始めて、社会全体の子育て支援環境を改善していくことが重要
この問題に完璧な正解はありません。でも、みんなで考え、話し合い、声を上げ、行動していくことで、必ず変えられるはずです。私自身も、この記事を書きながら「諦めるにはまだ早い」と改めて感じました。
同世代の皆さん、一緒に頑張りましょう。
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