はじめまして、札幌で観光ガイドをしている21歳のさゆりです。いきなりですが、皆さん…人生で「ここに来てよかった」と心から思える場所ってありますか?私にとってそれが「湯処 花ゆづき」なんです。今日はそんな私の心の寄港地をご紹介します。
出会いは最悪だった(笑)
実を言うと、私と「花ゆづき」の出会いは散々でした。去年の2月、マイナス15度の札幌の寒空の下、ガイド中に靴底が急に剥がれて冷たい雪が靴下に染み込むという悲劇が発生。仕事終わりに「もうダメだ…家に帰る前に温まりたい」という気持ちだけで飛び込んだのが「花ゆづき」でした。
玄関で必死にブーツから雪を落とそうとしたら、なんと滑って派手に転倒。「いらっしゃいませ」と言いながら笑いをこらえているフロントの女性の顔を今でも忘れられません。恥ずかしさと寒さで真っ赤になった顔で受付を済ませ、「もう二度と来るもんか!」と思ったのに…これが人生最大の誤算でした。
まずは基本情報(ちゃんとしたガイドなので)
「湯処 花ゆづき」は札幌市西区二十四軒3条1丁目19番地にあります。JR琴似駅から歩いて10分、地下鉄東西線「二十四軒」駅からは12分。
料金は大人880円、子供350円、シルバー750円。岩盤浴は別料金で360円です。営業時間は10:00~24:00(最終受付23:30)ですが、金・土・日・祝日・祝前日は10:00~25:00まで。
…と、ここまで書いて「ああ、なんて味気ないんだろう」と思いました。数字や情報だけでは伝わらない、あの場所の温もりや香り、湯気の向こうに広がるもうひとつの世界の素晴らしさ。それを少しでも感じていただけたら…と思います。
「死ぬほど」気持ちいいお風呂たち
「花ゆづき」の風呂は種類が豊富すぎて、最初は「どこから入ればいいんだ…」と途方に暮れました。でも今では毎回の「お風呂巡りコース」が決まっています。
まずは「高濃度炭酸泉」。これは、言葉を選ばずに言えば「死ぬほど」気持ちいいです。全身がシュワシュワと泡に包まれ、最初はピリピリした痛みさえ感じるんですが、そのうち体が芯から温まってきて…ああ、この感覚を言葉で表現できないもどかしさ。
次に「白雲の湯」。ここは硫黄のにおいが立ち込める白い濁り湯で、友人は「卵の腐ったにおいがする」と言って嫌がりますが(苦笑)、私はこの香りが好きなんです。目を閉じれば、まるで本物の温泉地にいるような錯覚さえ覚えます。
あるとき、ここで思わぬ失敗をしました。疲れていたせいか、うとうとしながら長居しすぎて立ち上がった時にクラッと来て…あやうく転倒するところでした。幸い近くにいた常連らしきおばあちゃんが「若いのに気をつけなさいよ」と支えてくれて事なきを得ましたが、あの時はホントに焦りました。お風呂では絶対に寝ちゃダメ、教訓です。
「円満の湯」には大型テレビがあって、ただボーっと浸かりながら何も考えずにバラエティを見るのが至福の時。特に仕事でミスった日の夜は、ここで「明日また頑張ろう」と自分を励まします。
そして私が密かに「失恋湯」と名付けている「石窯の湯」。なぜって?ここで元カレとの別れを乗り越えようと何度も泣いたから(笑)。漢方が入っているらしく、お湯に色がついているんですが、顔が赤いのは泣いたせいだと思われて助かりました。お湯のせいにしてごめんなさい…。
私だけのお風呂巡りコース
風呂の種類 | 私の呼び名 | 効能(本当は科学的根拠ないかも) |
---|---|---|
高濃度炭酸泉 | 「シュワシュワの聖域」 | 肩こり解消、疲労回復、私の魂の救済 |
白雲の湯 | 「雲の上の楽園」 | ストレス発散、自分を見つめ直す時間 |
円満の湯 | 「現実逃避の間」 | 社会の厳しさを一時忘れられる |
石窯の湯 | 「失恋湯」 | 心の傷を癒す、涙が目立たない |
ジャスミン湯 | 「眠りの花園」 | 不眠症の私が1分で眠れる奇跡の場所 |
岩盤浴での「事件」
岩盤浴「香蒸洞」も素晴らしいんですが…これにまつわる痛恨の思い出があります。
初めて利用した日、岩盤浴用の服装がどんなものか全く知らなかった私。他のお客さんが着ているのを見て「ああ、あれを着るんだな」と思い、無言で真似をしました。ところが汗をかいてきた頃「あれ?なんだか肌が変な感じ…」と思ったら、なんと私だけ「表裏逆」に着ていたんです!
その上、砂利式の岩盤浴から出る時に慌てて服を直そうとして砂利を床にバラまいてしまい、係のお姉さんに申し訳なさそうに掃除してもらうという大恥をかきました…。今思い出しても顔から火が出る思いです。でも、その時優しく「大丈夫よ、みんな最初は慣れないものよ」と声をかけてくれた従業員さんの温かさに、この場所の良さを感じました。
ちなみに、今では岩盤浴の25分間が私の「人生整理タイム」になっています。あの静かな空間で、時々涙を流しながら明日への決意を固めることも…。一人でも行きやすいのが「花ゆづき」の魅力です。
リラクゼーションとお食事~癒しのフルコース~
「体・いやし處」でのボディケアとフットケアは、ガイドとして一日中歩き回る私の救世主です。ある日、足が痛すぎて「もうガイド辞めようかな…」と思っていた時に思い切って80分コースを予約したんです。
終わった後、マッサージ師の方に「あなた、足に相当無理してるね。これ以上だとマズいよ」と言われ、思わず泣いてしまいました。「そんなに分かりますか?」と聞くと「疲れた足は嘘をつかないの」と返ってきて…なんだかプロの技と優しさに触れた気がして。
それ以来、月に一度のご褒美として必ず予約しています。ここだけの話、お給料日前の貧乏な週には「マッサージに行くためにカップ麺生活」なんてこともありますが、それでも行く価値があるんです。体が資本のガイドにとって、ここは “命の源泉” なんですよ。
お風呂上がりのご飯も格別です。「お食事処 和」のそばは本当に美味しい!特に田舎そばのコシの強さといったら…。ある時、麺をすすりながら幸せのあまり小さな声で「しあわせ~」とつぶやいたら、隣の席のおじいちゃんが「そうだよねぇ、幸せだよねぇ」と共感してくれて、思わず笑ってしまいました。見知らぬ人と「花ゆづき愛」で繋がった瞬間でした。
それから、恥ずかしながら私は「花ゆづき」のソフトクリームに命を捧げています。別海町産の牛乳を使ったそのソフトクリームは、疲れた心を優しく包み込むような味わい。一度食べ始めたら止まらなくて、3個連続で食べて店員さんに「大丈夫?」と心配された黒歴史もあります…。
良い評判も、悪い評判も
正直に書きますと、「花ゆづき」の評判は賛否両論あります。多くの方が「お湯が良い」「清潔」「施設が充実している」と評価する一方で、「一部常連の態度が横柄」「女性風呂の洗い場が狭い」といった声もあります。
ある日、露天風呂で「ここ、私の定位置なのよ」とキツい口調で言われたことがあります。一瞬ひるみましたが、その時は「あ、すみません」と素直に場所を譲り、次の日に「定位置の方」にあえて笑顔で挨拶したんです。すると不思議なことに、その方が「今日はどうぞ」と少し場所を空けてくれて…。
人間関係って温泉でも同じなんだな、と感じた出来事でした。もちろん全員がそうではないし、たいていの方はとても気さくです。特に平日の午後に行くと、地元のおばあちゃんたちの「札幌弁講座」が無料で受けられますよ(笑)。
ニフティ温泉での総合評価は3.5点と聞きました。私個人としては「星の数ほど星をあげたい」くらい愛していますが、客観的に見れば妥当かもしれません。でも、数字では測れないこの場所の魅力が、少しでも伝われば嬉しいです。
不思議な縁を感じる場所
「花ゆづき」には不思議な引力があります。
初めての訪問から数ヶ月後、ガイドで案内していたアメリカ人観光客から「日本の銭湯に行きたい」とリクエストされ、迷わず「花ゆづき」に案内しました。彼らは日本の入浴文化に興奮し、特に「電気風呂」で「Oh my god!」と叫んでいたのが忘れられません。
また、先日は実家から上京した母を連れて行ったところ、なんと母の高校時代の友人と偶然再会するという奇跡も。「花ゆづき」は人と人を繋ぐ場所でもあるのかもしれません。
最後に…心からのアドバイス
「花ゆづき」を訪れる際は、心を開いて全ての体験を受け入れてみてください。初めは「ただのスーパー銭湯」と思うかもしれません。でも、何度か通ううちに、あなただけの「花ゆづき時間」が見つかるはずです。
わたしのように派手に転んで入店したり、岩盤浴の服を逆に着たり、ソフトクリームを食べ過ぎたり…完璧でなくていいんです。むしろ、そんな「失敗」が愛おしい思い出になる場所なんです。
どんなに疲れていても、「花ゆづき」の暖かな湯に身を委ねれば、また明日から頑張れる。そう思わせてくれる、私の心のふるさとです。
あなたにとっても、そんな特別な場所になりますように。
……あ、最後に一つだけ。もし行かれたら、「白雲の湯」の右奥の席は、こっそり私の「定位置」にしています。もし空いていたら、少しだけ温めておいてもらえますか?(笑)
おわり。
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